Aya

マルセル 靴をはいた小さな貝のAyaのレビュー・感想・評価

3.8
#twcn

えええ?!

マルセルの声ってジェニー・スレイトさんなの?!

"Gifted"でマッケンナちゃんの先生役且つクリエヴァの恋人役の?!

えええ?!

この映画の監督&ドキュメンタリー映像作家役のディーンてひと別れた元夫なの?!

ウ、ウェルメイドの極み…別れても良好な夫婦関係っていいですね。

映画中にディーンが『妻と別居中』って言ってたけどそれってマルセルの声の中の人のことやったんか!!

しかもマルセルはあの貝殻に目ん玉がぽちょんとついた可愛いビジュアルにオレンジの靴を履いてディーンに対して『どうして?』『どっちが悪かったの?』とかパーソナルな質問したりして…ってその声の人との実体験なの?!

どうゆう構造の映画だよ!!!

※ストップモーションアニメのモキュメンタリー映画です

メタフィクショナルなのか???

"貝殻坊やのマルセルのドキュメンタリー映画を撮る"というモキュメンタリー映画なので余計に混乱するやんか!

はっ!すみません(汗
ジェニー・スレイトさん好きなの。
元夫でディーン役で監督のキャンプさんハンサムですよね。

そうそうお話お話。
頭に貝殻の"着いた"ひとつ目の坊や。
オレンジの靴を履いたマルセルはAirBにおばあちゃんと暮らしている。

色んな借り主が利用するAirBだが生活の知恵を身に付け、独自の発明なんかもしながら楽しく見つからずに過ごしていた。

そこである日、妻と距離を置くためにやってきたディーンという映像作家と出会い、彼はマルセルの生活の面白さ、存在のユーモラスさそしてなんと言っても彼の人柄ならぬ"貝柄"に興味を抱きマルセルの生活を追ったドキュメンタリー映画を制作する事に。

話し合いマルセルも協力的でおばあちゃんにも相談してOKをもらい独自の生活を紹介してゆく。
小さな身体での移動手段、大好きなテレビ番組、水やご飯、ランドリールームでの気分転換に得意の貝殻オーボエ、スケート、蓄えた名言etc...

ディーンとも時にビジネスパートナー、時に友人のように会話を重ね関係性を構築する。

ディーンはマルセルの動画をyoutubeにUPすると途端にバズり家が観光地のようになってしまう。
マルセルはこの知名度を利用してある"尋ね人"探しに乗り出し、大好きなテレビ番組"60ミニッツ"のPDより取材をしたい、との申し出が…

普遍的なお話なのよ。
貝殻だけど。

人は1人では生きていけない。
貝も1人では生きていけない。

しかし挑戦や変化は怖い。
自身ではなく、過去のAirBの借主のカップルのせいで家族を失った経験のあるマルセルはより変化に対して強い不安を口にする。

マルセルの言ってるのは"家族"ってより"コミュニティ"のお話なのよね。
だって家族はおばあちゃんがいるもん。
パパやママやお兄ちゃんや叔母さんはいなくても。

でも1人では生きていけない。
コミュニティ=社会生活を送るためには仲間が必要である。

仲間がいることで寂しさが軽くなり楽しいことはより楽しくなるしテレビもみんなで観る方が楽しい。
おばあちゃんの老いに対する不安も違ったものになるかもしれない。

いや、そうだったんだ。
仲間がいなくなる前は。

コミュニティに憧れるお話ではなく、一度コミュニティを経験してるからこそ、その存在の大切さを知っているからこそ、欲するマルセル…ううう分かるぅ!

でも大きな一歩を踏み出すことで今の状況が変化することに臆病になったり…分かるぅ!

そしてマルセルの大切なコミュニティを失うきっかけを作ったカップルのあの展開w

笑ってたらいきなり泣かされた。゚(゚´Д`゚)゚。

omg,,,
最高かよ!!
ありがとうだよ!!

そしてディーンとの関係はどう変化してゆくのか?

ディーンはマルセルのこといっぱい聞くくせに自分のことはあんまり話してくれない、と拗ねるマルセルはめちゃくちゃ人間くさい。

貝殻やけどw

あの靴をマジックで塗るシーンとかトランクの用意にトラウマがあったり、ふっと普段明るく元気なマルセルの孤独や不安の垣間見せ方が上手いですよね。

それだけマルセルというキャラクターがリアルってことやろうなぁ。

貝殻に眼がついてて靴を履いてるって???

普段からポスタービジュアルをきちんと見ないAyaさんも悪い目を凝らしてみましたが???でしたw

しかも普通に老いるのか貝殻…おばあちゃーん。゚(゚´Д`゚)゚。

日本語字幕めちゃくちゃ良かったですね。

アメリカの今ドキ言葉的なとこもマルセルとディーンとの会話のやり取りも伝わりやすくカタカナもきちんと日本語に翻訳してくださってて。

日本語字幕を担当された小山 朋子さんて初めて見たかもしれないけど、今後の活躍に注目ですね!

EDで『これストップモーションなの?!』と驚いたものの、ストップモーションアニメというガジェットと現代の俺たちの普段の生活に欠かせないデジタル機器のカクカクしてててスマートな感じ。

ビジュアルも機能性も相性が良いので今までなかったのが不思議かも。

アニメ作家なんかこういうの見たら食い合わせの良さに気付くと思うので類似作品が増えそう。


日本語字幕:小山 朋子
Aya

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