カタパルトスープレックス

マルセル 靴をはいた小さな貝のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.6
新進の映像作家ディーン・フライシャー・キャンプ監督によるストップモーションアニメーションと実写映像を組み合わせたモキュメンタリー作品です。

2023年はストップモーションアニメーションにとって豊作の年でした。『オオカミの家』もありましたし。本作はストップモーションアニメーションの使い方もなかなか面白いのですが、むしろ技法よりストーリーを重視しています。

テーマは「つながり」なのでしょう。靴を履いた小さな貝殻のマルセルはおばあちゃんのコニーと二人暮らし。そこにAirbnbで民泊しにきた映像作家のディーン(本人)がやってきて、共同生活がはじまります。マルセルとコニーは大きなコミュニティーの一員なのですが、以前にあることが起きて離れななれになってしまう。マルセルは他のコミュニティーのメンバーと再び出会うことができるのでしょうか?という話です。

まず、キャラクター造形がとてもよくできています。好奇心旺盛なんだけど怖がりで頑固なところもあるマルセル。そんなマルセルに勇気を出して外に出てもらおうと支えるコニー。コニーのような距離感って実は難しい。マルセルはとてもいいおばあちゃんを持った。

ストップモーションアニメーションとしては特筆する部分はないのですが、実写のブレンドの仕方が面白かった。たぶんグリーンバックで分けて作ってるとは思うのだけど、すごく自然にブレンドされていました。

心温まる作品が好きな人にはおすすめです。