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マルセル 靴をはいた小さな貝のinuのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

前半まで「マルセル可愛い〜癒される〜」だったのに、中盤から「もう人間は全員滅ぼそう!貝だけの朗らかな世界作っていこう!」に感情がシフトチェンジした。

おばあちゃんが「z」のキーボードに立ってるもんだから、Wordの画面にずーーっと「zzzzzzz」って表示されていくのも好き。演出細かい!こういうのにたくさん気づいていきたいよ。

マルセルが「パーティの時に一番安心する場所は、静かな隣の部屋(っぽいことを言ってた気がする)」って言ってて、何となく分かるなーと思った。気の知れた友人たちとの喧騒ってすごく楽しいけど、でもそこから一歩離れてちょっと遠巻きに見てるくらいが一番楽しいし、一番安心するよね。あ、ここにいてもいいんだなって思える。

時折映る自然もすごく好き。思わず目を細めてしまうほど眩しい陽光、木陰の下でちらちらと揺れ動く影、生き生きとした花や緑たち。

洗濯室(?)から柔らかい風が吹いて、その風がマルセルの中を通って小さく「ボー」と鳴るのもいい。マルセルがいて、やっとこの世界は、世界として動くんだね。

春の始まりに、こんないい映画が観られて嬉しい。
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