平田一

スピリテッドの平田一のレビュー・感想・評価

スピリテッド(2022年製作の映画)
4.2
知識をあまり仕入れずに飛び込んで見てみたら、ミュージカルとは知らなくって、最初は結構驚いた。けどどんどん見れば見るほどものスッゴく楽しくて、王道と捻りを利かせたクリスマス映画です。

一見王道の展開を貫くかと思ったら、随所に善意の押し付けを避ける“現代”の反映、場違いを承知の上でぶちこまれるミュージカル、十人十色の性格や個性を尊重する終盤と、かなりのサプライズが満載で、何度か「えっ!?」ってなりました(結末は王道だけどとても大事な限りです)。SNSの誹謗中傷、耐えきれずの自殺など、身近な問題も盛り込んでいたのもとても良かったです。

特にライアン・レイノルズとウィル・フェレルのケミストリーが本当に素晴らしくって、最高の一言です。何もかも正反対な二人が出会って巻き起こす捻りの利いた「クリスマス・キャロル」ぶりが圧巻ですw

しかもライアン・レイノルズが終盤でウィル・フェレルにとある事を言う場面はなかなかに斬新です。個人的にその場面はハリウッド映画におけるゴリ押しのハッピーエンドへのカウンターパンチかと。とても小さな場面ですが、目を見張っちゃいました。
平田一

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