エイプリル

スピリテッドのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

スピリテッド(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

みんな大好きクリスマスキャロルのアレンジですが、めちゃくちゃアレンジされまくりというか、クリスマスキャロルの続編のような立ち位置で作られていました。主人公がスクルージだったっていう中盤の展開は結構びっくりしました。
これまでのクリスマスキャロルの派生作品とは違って、「亡霊の行いは本当に正しいのか?」ということについても非明示的に示されていて、過去作のアンチテーゼにもなっているのは感心しました。
もはや原型を留めていないくらいのアレンジですが、クリスマス映画にふさわしく根っからの悪人は出てこず、悪事を働く人に対してもその罪悪感や家族の縁を同時に描くことで、善悪についてもフェアな描写のされ方をされてると思いました。

割と笑えるシーンも多くて、クリントがクリスマスキャロルで見た!知ってる!っていうのも良いですし、ラストで勝手に改心判断してダンスするために出てくるオールスター、めちゃくちゃ面白かったです。
クリントのラストは彼の弟や姪の今後を考えるとちょっと悲しい気もしましたが、人間になったスクルージがアドバイザーとしてクリントと相棒関係を続ける展開は思いつきませんでしたし爽やかで好みでした。「クリントが引退したおかげで未来が変わった」っていう展開も熱くて良いです。
クリントとスクルージがお互いにお互いを自分と重ねて見てるっていうのは話としては綺麗なんですけど、「相棒って呼び合えるほどの絆イベントあったか?」っていう気もしました。まあクリスマス映画だしハッピーならなんでもいいか…。
あとはキンバリーにはマジでなんで見えてたのか最後まで分からず、単に彼女に霊感があったから、みたいな感じになってるのも…まあクリスマス映画だしハッピーならなんでもいいか…。

ミュージカルということもあってずっと楽しく見れるので、まさにクリスマス!って感じでした。Apple TVが配信してる映画はあんまり多くないんですけど、その中でもこれは結構誰にでもお勧めできる作品でした。
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