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フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)のkazu1961のレビュー・感想・評価

3.6
▪️Title : 「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1965
▪️JP Release Date :1965/08/08
▪️Production Country: 日本・アメリカ
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-394 再鑑賞
🕰Running Time:90分
▪️My Review
子供の頃に観て、その造形の怖さや悲しいストーリーにトラウマになった記憶があります。大人になってから再鑑賞した時も、取材している記者の「パンパンが生ませた混血児ではないか」という台詞や「放射能に強い怪童」などという新聞見出しも、時代とはいえ凄い際どさを感じました。。。
本作、東宝が、海外資本との提携によって怪獣映画の新機軸を模索した意欲作です。怪獣映画としては初めての日米合作なんですね。そしてその内容も明るいヒーロー路線へとシフトしていったゴジラシリーズとは対照的に終始シリアスでホラーテイストなストーリーとなっています。
そしてそのストーリーは、人間?描写が深く、鋭く素晴らしい。馬淵薫のきめ細かい脚本を基に、「彼も人間だ」と主張するボーエンと、「だとしてもまともな人間じゃない」とする川地、あくまで母性的愛情を寄せる季子と、「怪物{フランケンシュタイン)」に対する三者三様の姿勢を浮き彫りにして非常に丁寧に描かれています。
特撮シーンでは、広島に原爆が投下されたシーンのキノコ雲の特撮カットが非常に秀逸で、後年の『怪獣総進撃』(1968年、本多猪四郎監督)や『人間革命』(1973年、舛田利雄監督)などにも流用されています。投下前の広島の全景が見れるのも感激の見どころで、渡辺善夫によって実景と見紛うようなリアルなマット画が使われているんですね。
また、パラゴンとの対決シーンが見もので、着ぐるみ怪獣と生身で半裸の俳優がぶつかることで生まれる緊迫感が凄いです。フランケンシュタイン役の古畑弘二の演技も素晴らしく、豊かな表情と抜群の身体性で画面を走り回っています。
物語は。。。
第二次大戦末期、ドイツから極秘裏に運ばれた一つの秘密兵器がありました。それは人造人間“フランケンシュタインの不死の心臓”でした。日本軍はこの心臓をもとに、人間兵器を造ろうとしました。だがそれは、広島の原爆によって研究途上で失われてしまいます。そして十数年後、その心臓から再生した少年が登場したのですが。。。
劇場公開時のエンディングでは、バラゴンを倒したフランケンが地崩れとともに山火事に飲み込まれていくというものでしたが、ビデオ版などでは、バラゴンを倒した直後唐突に現れる巨大タコと戦闘になり、それともつれあうようにしてやはり湖底に飲み込まれていくというエンディングのものもあるようです。
本作、興行的には成功し、翌年には姉妹作「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」が公開されました。

▪️Overview
馬淵薫のオリジナル・シナリオを、「宇宙大怪獣 ドゴラ」の本多猪四郎が監督したSFもの。撮影もコンビの小泉一。(引用:映画.com)

出演は、高島忠夫?ニック・アダムス、水野久美、土屋嘉男。
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