ねこ無双

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版のねこ無双のレビュー・感想・評価

4.3
郊外にある父の墓参りに兄とふたり、車で訪れたバーバラ。
人気の無い墓地をふらふらと歩く男性が遠くに見える。怖がりのバーバラをからかう兄。
それは死霊の一夜の始まりだった。

ロメロ作品の中では『ゾンビ』よりもお気に入り。
名作のリマスターを劇場で観れる機会はなかなか無いのでおさらい気分で。
ところが実際観てみたらストーリーもかなり忘れてて、次は次は?と、すっかり物語の世界に飲み込まれてしまいました。

その他のロメロの作品とは違い、別ステージのクラシックな作品作りに酔いしれてしまう作品。
ドキュメンタリータッチな終わり方、エンドロールの短さも突き放すような恐ろしさがあって良かったです。

私の記憶ではバーバラが青年と勇敢に戦ってるイメージだったんだけど、どうやらそれはトム・サビーニ監督によるリメイクの方だったみたい。
今作のバーバラは信じられない事態の連続によりほぼショック状態となっており、すごくイライラさせられてしまうんだけど…こういうのも反応として当然アリですよね。

後世のゾンビ映画に影響を与えたのはもちろんだけど、籠城ものの人間真理を描いたスリラーとしても面白い。
キングのペットセメタリー(1983年著)を想起させられる場面もありました。
ただのパニックムービーに終わらず、パンデミック後の討伐隊の描き方もシニカル。

観に行ったら大きめのハコの上、ほぼ貸し切り状態!
しかもかなり階段を下った先のそのまた先の地下にあって、それもまた墓場感があって怖かったです…。