オノタカノフ

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版のオノタカノフのレビュー・感想・評価

3.5
ゾンビ映画の金字塔か。なるほど。いろいろ定石通りの展開が出てくるが、この映画がその定石を作ったということなのかな?

白黒の画面がいい感じ。夜の8時とはいえまだ明るい墓場で、遠目にふらふら最初のゾンビが現れるところで、主人公の一人バーバラが気付かぬうちに実は一挙に非現実的な物語が始まっているというのがええですわ。

もっとも、そのバーバラも家に逃げ込んでからは急速にでくの坊化してしまい、以降真の主人公(?)ベンが物語を引っ張っていくことになる。何かとベンと対立するクーパー氏。いらぬことして死んじゃう、あのお姉さん。それから役立たずのバーバラ。こういう人たちがいてこそのホラー・パニック映画ですなあ。

一見一人正しいベンさんも、冷静に考えてみれば、さてどうだか。あんな状況でどう行動するのが正しいかなんて誰にも分かりゃしない。クーパー氏の主張することだって、家族の命を守らなけりゃならない彼の立場からすればもっとも至極なわけで、臆病だのなんだの他人から非難される筋合いのものでもない。

でも、最後に正義は勝つで、生き残ったのはベンさん。めでたしめでたし。‥ん? どうやら大雑把なアメリカの正義が真の勝者のようで。
オノタカノフ

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