『ドロステのはてで僕ら』に続いての鑑賞。
みんなもタイムループ作品にはもう飽き飽きしていているよね？
その気持ちはわかる。
でも、これは巷に溢れてる作品とは一味違うんだ。
というのも、主人公が認識してあれこれ奮闘する話ではなく、全員がタイムループを認識している設定。
しかも、たった2分を永遠と繰り返すという奇想天外な進化型タイムループ物語。
なので、Aさんに説明→タイムループ→Bさんに説明→タイムループ→AさんとBさんは物事を理解した状態でスタート→Cさんに説明…という形でタイムループが巻き起こる範囲内の行動効率をどんどん上げていけるわけ。
ただし、結局は元に戻ってしまう為、ある程度共通認識ができたら、この無限ループを終わらすために旅館の面々は動き出す。
恋愛あり、友情ありの豊かなストーリーに加え、“貴船”の美しい雪景色が心にスッと沁み渡る。
確信へと迫る部分は前作とのリンクも感じられ、是非劇場で見てほしい一作。
まさにアイディア勝負の良作だった。
あの旅館でないと撮影が難しいシーンに思えたし、外の気候が変わっていたりもしたよね？
様々な背景からも撮影時の創意工夫は伺えた。
そして、行き着く先は誰もが癒やされるホッコリエンディング。
『ヨーロッパ企画』の作品はひたすらに優しく、余韻もスッキリ爽やか。
次を期待したくさせるんだ！
ちなみに今回はシネコンでの鑑賞だが、ほぼ満席。
『ドロステのはてで僕ら』が好評だった事に加え、キャスト陣のスケールアップ、そして何よりも口コミの力だろう。
このムーブメントは『MONDAYS／このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』を彷彿させる流れ。
良いものを作り、口コミで広げ、より多くの劇場へ。
これこそミニシアター系作品の醍醐味、チャレンジ可能な映画がもっと生まれてほしいなぁと強く感じました。
