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リバー、流れないでよのmappoのレビュー・感想・評価

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
4.0
個人的にヨーロッパ企画の好きなところは、小劇場でやる舞台みたいな、現実社会では見られない人間の熱さと非現実になりきらないリアル感(ハリボテ感?)があるところだと思っている。今回もぶっ飛んだ展開の中、妙にメタっぽい発言をする登場人物や雑なタイムマシーン、大声で本音をぶつけ合い、必死に走る大人たち、といったヨーロッパ企画らしい脚本を終始笑いながら鑑賞した。
変化を恐れて前に進めない状態を、本当に時間的に前に進めなくなってしまうという状況に当てはめるのが面白いと思った。現実もうじうじした思考になったら整理できるまで時間が止まってくれたらいいのに…
ただ一方で、「時が止まったような」とか「どこか懐かしい」というような心癒される場所も確かに必要で、貴船はそういう場所の象徴として描かれている。そこにミコトの現状維持の気持ちを肯定する視点も含まれているのがいいと思った。
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