ヨーロッパ企画の長編映画作品。
京都の貴船神社と老舗旅館を舞台に、旅館の職員たちと宿泊客らが、何度も繰り返す2分間のタイムループに巻き込まれる物語。
さすがのヨーロッパ企画のタイムループモノ。前作「ドロステの果てで僕ら」や、過去の「サマータイムマシンブルース」などと同様、小規模なタイムリープものは抜群の面白さです。タイムループものにありがちな展開を逆手にとって、全員が最初からタイムループしている認識があり、時間は繰り返しても連続した物語が展開していくというのが脚本の妙です。
（「このターンは時間がないので、次のターンでやりましょう」という会話が成立するという楽しさ。）
「消える熱燗」「無くならない雑炊」「終わらないシャンプー」など、演劇らしい小ネタにとても笑いましたし（特に何かと邪険にされる裸の編集者笑）、中盤からの切ない逃避行、そしてクライマックスの「全然関係ない」、でもみんなが協力して未来に向かっていくというストーリーが、謎の感動があり最高でした。（最後にお土産にとち餅を持たせるあたり、人の良さが滲み出ていて大好きです。）
貴船という土地の美しさも相まって、世界観・登場人物のキャラクター・ストーリーがとても綺麗な作品です。世界観が広くなくても、これだけ面白い物語が作れる脚本のヨーロッパ企画が大好きです。
