東欧で潜入捜査を行っているCIA諜報員のリストが盗まれた。犯人とバイヤーを一網打尽にすべく任務に参加したIMF工作員のEthan Hunt(Tom Cruise)は、裏切り者に仲間を殺された挙句、自身が組織を裏切った謀反者であるという濡れ衣を着せられてしまう。自らの無実潔白を証明するために、Ethanは真犯人の捜査に乗り出す。
≫大人気スパイ映画『Mission;Impossible』待望のシリーズ最新作が公開となる。今夏の劇場公開に先駆けて、過去のシリーズ全六作品を『その夏』ちゃんと完走せよ。
ーなお、このメッセージは五秒後に自動的に消滅する。（〜♪）
◆ 1st Mission.
≫NOCを奪取し、犯人を捕まえろ！
ハリウッドを代表するアクション・スター俳優Tom Cruiseの代表作であり、Brian De Palma監督がメガホンを取った大人気スパイ映画シリーズの記念すべき第一作目にあたる今作。改めて観ると流石に時代を感じる部分（特にオープニング）はありました。今作に続くシリーズの続編が素晴らしいものであることの証左に他ならないと思いますが、今作は今作で勿論すばらしい。
プラハの合衆国大使館員によって、NOCと呼ばれる《東欧で活躍するCIA諜報員リスト》の一部が盗まれた。残りのリストを盗みに現れる犯人を尾け、取引相手諸共検挙せよ！というのが今作のファースト・ミッション。
プラハを舞台にEthanらIMFのメンバーがパーティーに潜入して捜査を開始するシークエンスでは、De Palma監督お得意の《主観映像》の演出が見事にハマっています。30年近く前の作品であるにも関わらず素晴らしい臨場感でした。この作戦中、Ethanは本作における黒幕にまんまと嵌められてしまい『IMFの裏切者』として追われる身となってしまうのですが、まぁ、黒幕はお察し。テンポよく狭い画角で切り替わる画面と、急かすように畳み掛ける俳優の台詞ではどうこうならないレベルで黒幕にアタリがつきます。（そもそもキャスティングが最大のネタバレ。）
命からがら逃げ延びたEthanの前に現れたのは『死んだと思っていた』チームのメンバーClaire(Emmanuelle Beart)。彼女の存在が本品に華を添えています。《敵が味方かわからないミステリアスな美女》もまた、スパイ映画の大事な要素ですよね。
◆ 2nd Mission.
≫ 厳重警備のCIA本部からNOCを盗め！
甘いマスクと軽妙なトークで《Max》と称するNOCのバイヤーから見事信頼を勝ち得たEthanは《Job》と呼ばれる本物の裏切者を炙り出すべく、ハイテクなセキュリティで堅められたCIAの本丸から極秘リストの奪取に挑みます。
今作の見所である金庫破りのシーン。元IMFのエージェントであるKrieger(Jean Reno)とLuther(Ving Rhames)を新たに仲間として加えた四人組で、鉄壁の警備体制を誇るCIAから本物の、しかも東欧だけではなく全世界版のNOCを奪取しようと試みます。
ここでも主観映像の演出はあるのですが、それよりもズームとローアングルの映像が効いていました。何度も『あわや！』というシーンを潜り抜けるEthanとKrieger。Danny Elfmanの劇伴を差し引いた無音の演出で臨場感とハラハラ感に拍車がかかっていました。天井から宙吊りにされた体幹バッキバキなトム様のシーンはあまりにも有名ですね。
◆ the Last Mission.
≫謎の美女の正体を見破れ！
≫裏切者のJobを捕まえろ！が正しいのかもしれませんが、ここは敢えて美女にフォーカスしたい。すけべ心がこれっぽっちも無いとは言いません。（キリッ）
Ethanは類い稀なる洞察力でJobとその仲間の正体を既に見抜いていました。如何なる言葉で取り繕おうとも、全てを察したEthanはパリへ向かう高速鉄道TGVで全ての決着を付けることを決めていました。
Of course very sorry to hear u say that.
工作員として一枚も二枚も上手なEthanが今作のヒロインの正体を看破するシーンは特にトム様の男の色気がムンムンでした！笑顔で手品を披露して仏頂面のJean Renoを翻弄するシーンもカッコよかったのですが、ラストシーンにトム様の魅力が凝縮されていたと思います。ご馳走様でした。
今作における大きな見所の一つは『CIA本部への潜入』であり、静かでハラハラとした緊迫のシーンでしたが、『高速鉄道の屋上で繰り広げられるラストの大捕物』も素晴らしい完成度。
☑︎ なんとか逃げおおせたいJob
☑︎ Jobを捕まえたいEthan
☑︎ Ethanを捕えたいKittridge
☑︎ NOCを転送したいMax
☑︎ それを阻止したいLuther
Ethan一派、Job一派、IMFに加えて、（完全に端役に追いやられた）Max一派の四者の思惑が絡み合い、激しいアクションシーンへと発展する展開は見応え十分。今作も十分に素晴らしい作品なのですが、アクションもサスペンスもパワーアップして続編が制作されて行く所が、トム様の魅力と合わせて本シリーズの最大の武器であると思います。
ーThis tape will self destruct in 5sec.
