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哭悲/The SadnessのRAMPOのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
3.2
先日、池袋の新文芸坐にて「人が死に過ぎるホラーナイト」と題して開催されたオールナイト興行として劇場観賞してきました。本作はその3本目(最後の作品)。

結構ね、事前にネットで流れていた容赦ない残酷描写、そしてそこに至る物語設定に期待してたんですよ。

う〜ん、確かに序盤からエグい殺され方でガンガン人が死にます。
原因はウイルスって事になってますが、突然脈絡なく感染し、周囲の人々をガンガン襲い始めます。
仕事と在宅で別々になった主人公カップルも双方がおっかない感染者に追いかけ回されます。

でも、それだけなんだよね…。
捻りも何もない、残酷で過激でエゲツなく胸糞悪い暴力描写(グロゴア)の一点突破。
何なら政府発表のシーンは学芸会演劇かよってほどリアリティのかけらも無い。ま、社会風刺・ブラックジョークというならそれまでだけど。

あれぇウイルス感染すると人間の脳に作用して凶暴性を助長する、だけど理性はしっかりあってその行為に対する良心の呵責から涙を流すって設定じゃなかったっけ?って疑問を感じるほど、そこら辺の描写は薄い。
なので折角の設定が単なる“残酷なゾンビ映画”に成り下がってる。

主人公カップルはじめ出てくる人物のいずれにも感情移入できるキャラが居ないのも辛いし、結局救いが全く無いのもこの手のジャンル映画として爽快感というか満足感が湧かない。

う〜ん、さっき観た「女神の継承」の余韻を引き摺っていて、上手く頭を切り替えきれてなかったのもあるとは思うけど、正直なところ期待はずれ。
本オールナイト作品の中では一番沢山人が死んでた、それだけでした。
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