S510

哭悲/The SadnessのS510のネタバレレビュー・内容・結末

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

よくある設定のよくあるストーリーで、真新しさは特に感じなかった。感染の仕方が謎で、冒頭の飲食店で一気に広まった意味が理解できなかった。罪悪感があるという要素も必要だったのだろうかと疑問に思う。台湾が舞台ということだけが個人的には新鮮だった。
一般市民が銃を持ってないと感染者への対抗が難しく、その分色んな物が武器になって、死に方が余計に痛々しかった。特に冒頭の飲食店の店員さんはめちゃくちゃ気の毒で、ポテトを揚げているカットに嫌な予感しかしなかったのだが、案の定だった。

B級スプラッターパニックホラーなのだろうが、電車の中であまりにも大量の血が吹き出した瞬間、寧ろブラックコメディだなと思った。モザイクの掛かる暴行シーンには最早笑ってしまった。
目を怪我した女性がシャッターを下ろした男性を殺すんだろうな、配信の博士が最後に出てくるんだろうな、彼氏はどうせ駄目なんだろうな、という想定どおりの展開すぎて最後まで特に面白味もなかったが、機転を利かせてスマホのパスを解除したことと、電車の男を始末するシーンだけはスッキリした。
せっかく彼氏の指を冒頭でぶった切っているのだから、シャッター男の指紋認証で解除される設定にして、男の指を切断して使う展開があれば繋がるのにな、と素人考えでは思った。

主人公が助からなかったのは、病院のドア越しに電車の男を見た時に警官に忠告せず、スマホを奪って自分だけ逃げて保身に走ったからなのかなと思う。
ラストは結局主人公も死んだという救いの無さより、今後の人類の為に抗体を失った痛手に絶望した。ちゃんと報告しない博士が悪い。博士が生きていても結局殺されたんだろうな、とは思った。
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