沖縄戦の際に島田叡知事と荒川退造警察部長が、日本軍に見捨てられた県民の命を、軍部に逆らってでも守った史実のドラマ。
知事役の萩原聖人と警察部長荒川役の村上淳、そして知事の秘書の比嘉凛役の吉岡里帆のそれぞれの演技は素晴らしく、極限の中で人間性を失わなかった誠実さと葛藤が表れていた。
戦争を誰の目線で描くか、地元の方々が製作したことからも、重要な作品。
戦争映画は一兵士、軍部の目線がかつては多かったが、関係者が少なくなり、沖縄の人々が少しずつ声を上げられるようになったのは、ドキュメンタリー「生きろ! 島田叡 戦中最後の沖縄県知事」(2021年)で知った。関係者が少なくなって真実を語れるようになった反面、失われていくものも多い。
民間人に玉砕するな、自決するな、生きろ!と言い続けた島田知事、島守と呼ばれている。