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ジェントルマンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ジェントルマン(2021年製作の映画)
3.6
韓国映画を映画館で観るのは久しぶり、かな。
チュジフン主演。

日本で言うと『コンフィデンスマンJP』的な、何者だかよくわからない“ワケあり”集団が、公正な捜査では尻尾を掴んでも完全に悪事を暴くに至らない政治や権力に対して見ぐるみを剥がすどんでん返し、的な映画。

そう言えば『ジェントルメン』、、、そっちか。
みたいな映画。

ただ、日本のそれとは少し雰囲気は違くてそこまで陽気で痛快、と言う感じではなく、入り組んだサスペンスや駆け引きがあり、誰が誰を利用して、誰が誰を出し抜こうとしているか、がそこそこ複雑で重厚に描かれている。

事前情報ナシで、チュジフンが主演の韓国のクライムサスペンス映画、というぐらいで観に行ったから、というのもあるが、その辺に最初はちょっとついて行けず、話の流れが前後したりするので少し慌てた。

そもそもチュジフンは誰で普段は何の仕事してるのか?なぜそこで犬を彼氏に奪われた女の子の依頼で犬の奪還に付き合わされ、襲われたりするのか、、、話がなかなか見えない。

しかも、最初に「お互い紳士でいきましょうやぁ」みたいに机を挟んでの会話のシーンは、どうやら後日談的なシーンらしい。

そこから少しずつ巻き戻って真相を順序立てて最後にタネ明かし、みたいな展開。
少し読解力というか、行ったり来たりする話の展開の把握力を求められる。

チュジフンが襲われて、自分を捕まえて補導する検事と一緒に事故った拍子に、その検事と身分をすり替える。
そこから自分を検事と偽って捜査し始め、別の検察官と手を組んだり。

このチュジフンがそこまでしてこの事件を追いかける目的とは、いかに。

そこを楽しむ映画。
このオチがあることで、彼から語られて描かれて進む話が、どこまで本当で、どこからが騙くらかしてるのか。

とはいえ、彼にも誤算や想定外のこともあって、明らかに旗色も顔色も悪い時もあり、それが余計に事件の全貌と目的が掴めない。

痛快、爽快ではないが、“毒をもって毒を制す”のような、正攻法ではないヤツらが権力者の裏の顔に迫り、駆逐する様と、それを飾ることなく遂行するプロフェッショナルさがカッコいい。

あのハッカーの女の子、誰だっけな。実は結構可愛い。
そして、パクソンウン、ホントこういう性悪な権力者の役、似合うな。
途中でボコボコにされる彼も、街中を裸足で車を追いかけるシーンは見応えあった。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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