カタパルトスープレックス

ショーイング・アップのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
3.6
ケリー・ライカート監督がオレゴンのアートスクールを舞台とした人とのコミュニケーションの難しさを描いた作品です。

本作の目玉は主人公リジーを演じるミシェル・ウィリアムズですね。普段は芯がありつつも優しい感じの役柄が多いのですが、本作ではいつもカリカリしている神経質なアーティスト。大家で新進気鋭のアーティストであるジョー(ホン・チャウ)はおおらかな性格。

リジーがイライラするのもわかる。離婚した父母は不仲だし、兄はちょっとおかしいし、シャワーは二週間も壊れているし、猫はイタズラしてやらかすし。ケリー・ライカート監督作品がそうであるように、人生はままならない。

本作はロードムービーじゃないけど、やっぱり旅の途中なんでしょうね。出発点も、終着点も描かれない。ままならない人生の一部分を描いたスケッチのような作品。でも、それが人生さ。