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ショーイング・アップのkamokanoのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)
4.1
ケリー・ライカートの幾つか観た作品はどれも好きだけど日常生活のなかでふと思い出すのは「ショーイング・アップ」。観て以来ずっとうまく言葉にできなかったけど、(不機嫌な)ミシェル・ウィリアムズを見ながら、人間の感情の豊かさに気づけた作品だったのかもとふと思った。何を思い行動するのかが丁寧に描写されているおかげで他人の言動なのにするすると腑に落ちるという、客観性と主観性が重なる夢の中のような出来事。この人がどんなことを考え生きている人間かということについて思いを馳せたり、身を委ねることができるのが面白いのよね。そのおかげで自分の生き方とは違っても、自分について考える機会になったり。ケリー・ライカート作品に惹かれる点はそこかも。そしてコミュニティのなかの人間関係を誰も取りこぼさず描くのがうまいとつくづく思う。
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