このレビューはネタバレを含みます
ある陶芸アーティストのリジーの初個展までの日常を描くケリー・ライカート監督作。
主人公は初めての個展まで作品を作り上げないといけないのに、隣に住むアーティストのジョーは自分の個展を成功させるのに、鳥を拾ってきて世話を頼んだり、お湯が出ないのを修理してくれなかったり、微妙な空気。
そこに自信作が焦げたり、兄貴がおかしくなったりっていう上手くいかない要素が加わって、個展に集中できなくて、地味にリジーが追い詰められていくのが淡々と描かれる。
最後、ケガをしていた鳥は実は飛べたんだなぁっていうのをリジーとジョーが見送っていくラスト。
何でもない会話をする2人は、鳥のように解放されたようであった。
常連のミシェル・ウィリアムズも良かったんだけど、今作は色々と上手くこなしちゃうジョーを演じたホン・チャウが絶妙だったなぁ。
たぶん、隣のアイツは何でも上手くやるっていう妬みみたいなのを感じられた時点で、彼女の演技に取り込まれていたんだなと思った。