立方体の連なる空間に閉じ込められた6人の男女。経歴も年齢もバラバラの彼らは、警察官のクエンティンを筆頭に出口を探し始める。だが、部屋の中には恐ろしいトラップが仕掛けられており、極限状態に置かれた彼らの精神は次第に追い詰められていく。果たして無事に脱出することができるのかという物語。
✩閉じ込められた6人の男女
3人の子どもがいる男性警官のクエンティン、数学科専攻の女子学生レヴン、キューブの図面設計に関与していた会社員ワース、独身中年精神科医のハロウェイ、障害を持つカザン、初老の脱獄囚レン。
全く面識のない6人だが、それぞれに役目があり全員活躍するのが凄い。
1つの部屋に6つのハッチがあり、そのハッチを開けて出口を探していくというシンプルな設定が分かりやすく、この世界観にのめり込みやすかった。
職業、年齢、性別、障がいあるなしに関係なく窮地に立たされた時の人間の核心部分の怖さをこの作品は体現している。
ラスト10分くらいはどんな展開に発展していくのか、ハラハラドキドキが止まらなかった。
精神的に追い込まれた時に人間の本性が出る。キューブに仕掛けられたトラップ以上に、人間の狂気の方が遥かに怖かった…
ハラハラする展開が多く、緊張感を持って最後まで楽しく観れた。
低予算のソリッド・シチュエーション・スリラーだが、飽きないようにトラップや法則(素数、因数、順列)などを用いた工夫があったのも良かった。
赤、青、緑、オレンジ、白etc.....
キューブには様々な色があるが、その色と登場人物の精神状態がリンクする点は非常に面白い。刺激的な赤色の時は感情的になり、青色の時は穏やかでリラックスした状態になるなど、キューブの色で感情が表現される演出が素晴らしかった。
最後まで誰がキューブを作ったのか?どんな意図で作られたのか?キューブの存在が明かされず謎に包まれたままなのも面白いと思った。最後まで明示しないことで得体の知れない怖さを存分に味わうことができる。
最後に生き残るのはやっぱり淀みのない純粋な心の持ち主なんだな。