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EO イーオーのasaのレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
3.0
ロバと愚かさがイコールで繋げられることは昔からあるけど、その認識こそが愚かというか、ロバの目には人間の愚かさがお見通しなんじゃないかって思った。結局愚かだとかどうとかって、人間の役に立つかどうかっていう指標の上でのことだろうし。なんて自分勝手な生き物なんだろう。

だけど個人的にあの独特な演出が合わなかったというか、ロバの物悲しさ、その目に映る人間のエゴをもっと静かに語ってもらう事を勝手に期待してしまっていたから、なんだか観ながらそこがキツくなっちゃったかも。


動物愛護も、本当に考えものだ。結局どんな主張も人間のエゴになってないか、その都度その都度で根本に立ち返って考えなきゃいけない。サーカス団にいた時と、その後と、どっちが酷だか。
食べるにしても、その力を借りるにしても、私たちは動物の力なしじゃ生きられない。その事実がある限り、きっと動物愛護の問題って倫理的にどうなのか、難しい狭間を行ったり来たりしなきゃいけないんじゃないかなって。
動物達の命は動物達のもの。彼らを人間のエゴから解放して自由に生きさせることが人間がなすべきことなのかもしれないけど、現実問題そう簡単にいかないのであれば、せめて彼らの命を無碍にしないこと、ただ解放を謳うんじゃなくきちんとその後のケアまで務めること。その義務は人間にあるよな、と実感した。
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