ブタブタ

EO イーオーのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

EO イーオー(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ライムスター宇多丸氏のムービーウォッチメン解説を聞いてから鑑賞🫏
「これはロバ版『2001年:宇宙の旅』か?」って本当にそうだった🫏🦕🪐
猿の投げた骨が宇宙船になる🐒🦴
『EO』では瀕死のEOが何故か立ち上がると四足歩行ロボットになる⚙️
あの軍事用にも使われる(予定?)《不整地突破貨物運搬四足歩行ロボット》ってロボットで機械の筈なのに何か感情があるみたいで不気味かつ動きは気持ち悪い上に哀れというか悲壮感を感じる。
YouTubeでテスト映像見たけど人間が何度も何度も蹴り倒すけど直ぐに立ち上がり歩き始める。
しつこく何度も蹴り倒しても又立ち上がり文句ひとつ言わずまるで人間が自分らが絶対的な神か何かだと思ってるみたいな勘違い、動物や機械、自分達より低い立場のものには幾らでも暴力振るっていいみたいな不愉快さと同時に人に対する健気とか依存心みたいな物が感じられて個人的に不愉快映像NO.1だった。

『ロバは電気ロバの夢を見るのか?』
お馴染み『ブレードランナー』の原作ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』は話しの概要だけで中身は全然違う。
EOが見るロボットロバの夢?やEOの家畜という人間と動物の中間みたいな存在は、人間に使役されなければ生きられない立場のレプリカントみたいに見えたし、人間の家畜・労働力・奴隷として文句も言わずに日々を過ごすロバEOのひとときの旅を描いた本作🫏

『アンドロイドは~』で主人公リックは人間とレプリカントを分かつ物は、結局は生物か人工物かではなく感情「他者に対して親切にする事」という結論に至る
『EO』でもEOに対して親切にする人とそうでない人間に別れて、それをEOはあのつぶらな瞳で冷静に観察してる様に見える。
其れは神の視線というか。

実験動物達の収容所はポーランドって事もあり否応無くアウシュビッツを想起させる。
森に迷い込んだEOの野生動物達とは絶対に相容れない家畜としての立ち位置とか不安感、それから突然降り注ぐ緑のレーザー掃射や赤いフィルターがかかった映像など近未来ディストピアSF映画みたいな感じで実にスタイリッシュ🫏

解説ではこれはドグラ・マグラみたいに円環を描く構成だとも言ってたのでEO最後は死んじゃうと思ってた。
で、また冒頭の「死んだフリショー」に戻り生き返るとか🫏

最後は牧羊犬ならぬ牧羊ロバとして安住の地に辿り着いたって事でいいんだろうか?🫏

角川ホラー文庫大賞の短編大賞をとった『トンコ』って作品が本作に非常に似てて思い出した。
こちらはブタ🐷を主役に食肉用家畜のブタが逃げ出して旅する話し🐽
ブタブタ

ブタブタ