アン子

EO イーオーのアン子のレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
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【主人公はロバ】
人間の言葉をもたないロバが、色んな人間の隣にたつ話
ロバを使役しようとする人間たちは様々な行動をみせるが、それをロバがどう思ったかの台詞は出てこない。
台詞がほとんどない作品で、脇役の人間達がたまに会話するぐらい。
BGM、自然描写、動物達の眼や毛並みで観客に物語をあてはめさせる作品です。

ロバがその場に対してどう思っているかを伝えるヒントはほとんどないので、
この映画の見方は

⒈ロバは人間と同じく喜怒哀楽がある
⒉ロバは人間と同じような心情になるかわからない

の二つで分かれる。

1.なら、人間の気持ちでロバの心情を察して、頭の中でロバにアテレコをしながら見る。
2.なら、観る側からは測れないロバ+その周りにいる人間達のストーリー、と2つの物語で感じとる。

ロバ目線で人間らを見て、人間の気持ちでロバにアテレコして人間を愚かとみるか、
人間の愚かなショートストーリー+人間にはわからないロバの夢想の様子とみるか

見方は人によると思う。

私は後者で見たい側で、というのも前者だとロバの意思に人間の監督の「環境と動物は大事にしろ…!」てオーラを載せてるように感じてしまうから。
そうなると、私はどんな気持ちでストーリーを眺めていればいいのか気持ちの立ち位置がわからなくて、だからしっくりこないまま終わってしまった。
ストーリーはあってないようなアート映画だけれど、どうしても文脈を読み取ってしまいたくなる。読み取れそうな主張が「環境と動物を」だから、文脈や全体のストーリーが浅く思えてしまえた。

日本の暮らしににロバがいないから知らんかったんやけど、ロバって鳴き声も人間に馬鹿にされそうな音なのね…
(タイトルのE O に聴こえる鳴き方や、eeeeeっ(咳ばらいや喉を痛めた人の吸い込む音) )
馬やロバらの毛皮が画面いっぱいに広がるんやけど、ものすごくふわふわしているのが伝わって触りたくなりました
アン子

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