うえびん

EO イーオーのうえびんのレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
3.4
馬心と秋の空

2022年 ポーランド作品

赤と黒の2色を基調にした映像は、アート的で美しい。ロバのEOが主馬公なので、馬の視覚に合わせた色調かも?と思って調べてみると、人間が赤・青・緑の三原色で色を認識するのに対して、馬は青と緑のニ原色で認識し、赤は認識できないそう。

ちなみに左右の視野は、人間の200°に対して馬は350°なんだそう。

EOのつぶらな瞳に映る世界を体感しながら、馬に関していろんな疑問が浮かんだ。

・人間と同じように感情が湧くのか
・草を食べてなぜ巨体を維持できるのか
・草の味は?美味しいと感じるのか
・ニンジンを好むのはなぜ?
・草を“食む”って、何で“はむ”って読むのか
・背に人間を乗せて歩くのはどう思ってるんだろうか

ロバ、人間以外の生物から見る、人という生物の世界。政治的な主義やスポーツの応援で群れる人たち、対立し暴徒化する人たち、共に家庭を築きながら諍いを繰り返す雄と雌…。

イエジー・スコリモフスキ監督の、誰も見たことがない映像世界へのチャレンジと、自然世界と人間社会を描く切り口は素晴らしいと思うけど、ロバと人間が織りなすドラマにはどうやっても入り込めませんでした。
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