ロバ視点のロードムービー。想像より暗く重苦しい。赤を多用している意図がつかめなかったけどロバ視点の何かのメッセージだったのか。現代の動物たちが置かれている人間による身勝手さを圧縮した環環がそこに生きる1頭のロバとの対比で浮かび上がってくる。
劇中のクラシカルかつ不協和音的なスコアがとても印象的で何か不穏なことが起きそうな転調と弦楽器の音が耳に残った。加えて映像が素晴らしかった。森や川、街、道路といった風景、馬、羊、犬といった動物たち、視点やカットをうまく多用しながらもロングショットで捉えるシーンが多くとても魅力的だった。ドローンで森をズンズン奥へと進んでいく映像もめちゃくちゃよかった。
ストーリー性がないのは分かるけど途中で起きるやや荒唐無稽な人間たちの展開がちょっと理解しそびれてしまうのと、あまりにもEOがすぐ逃げれられるという意志はないから抵抗しないけどすぐ逃げる。という挙動がちょっと難しかった。
女の子をご飯で誘おうとするゲス男の描写がペットを利用しようとする飼い主やそういう事をしようとする人たちとリンクさせているように見えてオエッとなった。
キャスト★3.5
ストーリー★3.5
プロット★3.4
バイブス★3.4
演出★3.6
映像★3.9
音楽★4.0
全体★3.6
