美しい夜、残酷な朝。
安眠できない男と女の起きたままの夢・・・
ただひたすら 監督の才能に 酔いしれた。
パク・チャヌク。
やはりこの人 ただものではない。
昨年(2022年)のカンヌ国際映画祭にて 見事 監督賞を受賞。🎉
数十年前からカンヌでは『ひとつの作品に複数の主要部門を与えない。』という規制ができてしまった為、今回は監督賞のみに終わったが、こんな規制が無かったらパルムドール(作品賞)も女優賞も本作が獲得していただろう。
さらに韓国映画にも関わらず今年の 英国アカデミー賞🇬🇧にて監督賞にノミネート‼️
惜しくも受賞は逃したが、『パク・チャヌク監督の才能』の凄さを世界に知らしめた。
そんな監督の「お嬢さん」以来6年ぶりの新作。
やっと公開されました。😊
なんという構成の上手さ！
なんという上品な脚本！
なんという見事なカメラワーク！
なんという素晴らしい役者達の演技！
1秒たりとも 見飽きることのない完璧なポリスサスペンス！
全てが『極上』な作品でした。
『事件の解決』か・・・
『その愛』を受け止めるのか・・・
容疑者の未亡人に心を許してしまった熱血刑事。
そして彼女も刑事の何気ない『優しさ』に少しずつ惹かれていく。
刑事と容疑者 は 男と女 に変わっていく。
『サスペンス』から『ロマンス』へと無理なく徐々にゆっくりと展開していくこの構成のうまさ！
そして『疑惑』が 浮かんでは消え、また浮上してくる 見事な心理戦！
スマホ、結婚指輪、死する錠剤💊、韓国語と中国語。
小道具と 飛び交う二カ国後で観客を気持ちよく酔わせてくれる見事な脚本！
死者からの目線、スマホ画面の裏側、現実と過去の同一ショット！
脳だけでなく視覚も刺激してくれる奇妙なショットの連続！
『映画』の素晴らしさが全て詰まっている。
パク・ヘイルの熱血刑事から許されぬ愛に堕ちていく男という 静かな演技がとにかく素晴らしい。
そして今回のキーワード的な存在を見事な演技で演じ切ったこの女優。
綺麗な女優さんで『どこかで観たことあるな？』とずっと思いながら鑑賞していたが、観終わってプロフィールを見たら この人「ラスト・コーション」のタン・ウェイじゃないですか‼️😵
久しぶりに彼女を観たが 変わらぬ美しさ。
本作でも『夫を殺したのか？』『刑事を誘惑しているのか？』『ホントに愛しているのか？』と観客をとことん惑わす二転三転の表情を巧みに使い分け完璧な『疑惑の女』を演じていて アッパレの一言。
この作品でもっと彼女が評価されてもいいと思うのだが・・・
近年話題の『韓国ノワール』や ドギツい写生が人気の韓国映画。
それらとは一線を引く『上品なアジア映画』として世界進出に成功した本作。
どことなく日本映画っぽさも感じるので、なんとか日本映画界も本作を『追いつき追い越す』ような力作を生み出してほしいものだ！
2023年 2月20日 9:55〜
TOHOシネマズ池袋screen 5
💺119席
客入り 30人くらい？
本作の鑑賞にて
TOHOシネマズ池袋 全スクリーン制覇！😃
