ぶみ

別れる決心のぶみのレビュー・感想・評価

別れる決心(2022年製作の映画)
3.5
疑惑がふたりを惹き寄せ、愛がふたりを引き裂いた。

パク・チャヌク監督、パク・ヘイル、タン・ウェイ主演による韓国製作のサスペンス。
山頂から男が転落死した事件を追う刑事と、男の妻が、お互い惹かれ合う姿を描く。
主人公となる刑事へジュンをヘイル、亡くなった男の妻ソレをウェイが演じているほか、へジュンの妻としてイ・ジョンホン、へジュンの部下としてコ・ギョンピョが登場。
物語は、転落事故を追う刑事と被害者の妻が、捜査が進むにつれお互い惹かれ始めるという、平日午後のメロドラマを彷彿とさせる設定かつタイトルなのだが、その期待を裏切らない湿度高めな空気感とロマンス度合いを見せてくれている。
直接的なシーンはなくとも、そこはかとなく漂う官能的な雰囲気も本作品の特徴の一つであり、逆にそのものズバリのシーンの淡白さとの対比が絶妙。
そして、ロマンス一辺倒かと思いきや、謎解き面でのプロットもしっかり構築されており、サスペンス好きでも満足いく仕上がりとなっているため、ロマンスとサスペンス、一粒で二度おいしい某キャラメルのよう。
また、途中からへジュンが眞島秀和か谷原章介、ソレが相田翔子か馬渕英里何に見えてきたのは私だけか。
原題の直訳も『別れる決心』であり、惹かれ合う二人の決心が見どころの一つであり、そのコンセプトや細部までこだわり抜かれた映像は、成熟した大人の鑑賞に充分堪えるだけのクオリティを誇る一作。

汚い世界は遠く離れている。
ぶみ

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