かさま

別れる決心のかさまのネタバレレビュー・内容・結末

別れる決心(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ロマンスが全然美しく描かれてないので見やすかった。
演出も音楽も主役の男女の関係も、クラシックなミステリ映画みたいだった。魔性の女と翻弄される男、という構図ではある。けど事件を追うヘジュンは、優秀な刑事であることは示されるが、力を誇示したりする様子もなく、やや情けなさも見えるような柔らかい感じの人で、そういう造形は現代的だなあと思った。
ヘジュンがソレに惹かれているということが、特にセクシャルな描写もないがヘジュンの行動からわかる。だいたい作中の二人はあんまり直接的なコミュニケーションが取れていない。ソレが移民で韓国語が第一言語ではないから、時々大仰な単語を選んでいるとか、込み入った説明は翻訳機を介すとかいう描写があり、相手の意図を理解するまでに間がある。このあたりの人と人とのコミュニケーション、互いの言語の違いからくる齟齬が良いようにも悪いようにも作用していて面白かった。ソレが「愛してる」と解した言葉のように、言語の違いだけではなく含意の読み取りの方の差といった齟齬も話に作用していた。
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