気持ち悪い表現になるけど、同監督の過去作が絡み合う裸体だとするならば、今作は浴衣から覗くうなじの様。
会話の端々から、指先から、視線から、2人の関係が見えてくる。じれったい。けど美しい。
被疑者と刑事の恋愛をテーマにしているので、もっと大衆寄りに作ることもできただろうけど、あえて繊細な演出をしている。
メロドラマを期待すると裏切られるし、サスペンスを見たがると拍子抜けするだろう。
これは「理解者に出会う物語」なんじゃないかなぁ。
正直長いし、途中ダレた気がするけど、練られた脚本や斬新な演出はさすが。
そして「月が綺麗ですね」に匹敵する「愛してる」の言葉を見つけてしまい、涙が出た。