昭和歌謡
のようなもの?
2022年 韓国作品
ストーリー展開も、現在と過去や夢が入り交じる映像も、カメラワークも、BGMの選曲も音のトーンも、演技もセリフも。
全てが、自分の感覚とズレて感じられる。大きなズレではないんだけれど、どこかがちょっとずつズレている。それが独特で面白い。
ジャンルもサスペンスかコメディか、微妙な線を突いてくる。
主人公ヘジン役のパク・ヘイルは、椎名桔平とラバーガールの細い方を足して2で割ったような風貌。最後までヘジンの役がしっくりこなかった。「体の真っ直ぐなソレさん」に何であんなに惹かれたんだろう。奥さんとは何でああなってしまったんだろう。
ソレ役のタン・ウェイは『ロング・ディス・ジャーニー』でも謎の女を演じていたから、その延長線上で観られたけど。
中国語と韓国語の意味のズレ。これは面白かった。
金バエ、ウジ虫、アリ…、腐敗した死体をここまで語らなくてもいいんじゃない。目薬、ハンドクリーム、リップクリーム…、ヘジンが携帯するアイテムも独特。
今、昭和歌謡を聴くと、懐かしさと共に時代のズレを感じたりする。そんな時代のズレ、日本と韓国、異なる文化のズレ、それとも監督のもつ感性と僕の感性のズレか。
エンディングの曲を聴きながらズレの原因を考えてみたけれど、解らなかった。