このレビューはネタバレを含みます
情念の映画。妖艶でメランコリックな2人の機微に始終翻弄されっぱなしで考察とかはそんなにないかな、、頭働かせるどころじゃなかった…（）こういう映画すき。
ほとばしる気持ちに栓をしようと本心と真逆の強い嘘をついてしまったり、あるいは本音を語る折に心にもない害意を織り交ぜて自己防衛に走ってしまったり。
そういう、なんというかライブ感から放たれる火力強めの虚飾の言動が自他を十二分に崩壊させうるという、本作の主題は心に留めておきたいなあ…と。
まあ、砂に身を埋めず生き続けるとはすなわち虚飾の言で身を固め続けることなのかもしれない。みんな大人気ない。
あの場で「私たちのことをそんな風に言わないで」とまっすぐ返せるソレ。そこはカッとなってレスバトルに移行しないんか…しないからこそソレは沈み、火力言葉を放ったヘジュンが1人惨めに海辺をさまよう。
個人的には、ヘジュンの振る舞いに共感する箇所が少なくなかったが次は敢えてソレに寄り添って観返してみようかな。再見を強く促される映画だった。
