エリート刑事男と殺人事件被疑者女がガチ恋(不倫)しちゃう。もちろん被疑者側はとっても怪しいので、捜査にあたり「不倫の熱情」or「警察としての矜持」の葛藤に苦しめられる。
あらためてプロットを書き起こしてみると「いや知らんがな！ちゃんとやってー」と思うのだが、まあまあ感情移入できちゃう。
刑事妻のかったるい感じの描写が上手いからかなあと思いつつ、韓国作品お得意の悲恋設定が被疑者側にありそうなのにいまいち伝わってこなかったのが惜しかった。
ここは私の読解力不足も大いにありそうなんですが、謎を深めるためか考察要素なのか、物語運びをわざと難解につくってるような印象もあり、そのせいかもと思います。反則だとは思いながら何度か巻き戻しながら観てしまったりもしました。
とはいえ結局のところ主人公2人に入り込めてしまうのは、丁寧な演出のおかげ。特に2人が惹かれ合う様を濡れ場やキスシーン、告白台詞なしに感じとらせてくれるのは凄いです。私は取り調べ休憩でお寿司を食べた後の片づけ連携がとってもスムーズなときに、何か感じるものがありました。特に前半パートは全編に漂うその静かな色気だけでも充分楽しめます。
刑事がしっかり優秀で、一挙手一投足が紳士的なのもよかった。パク・ヘイルさん、ありゃあ惚れちゃいます。
ちなみに、捜査ツールとしてだけでなく恋の切なさや喪失感を醸成する装置としてもスマートデバイスが効果的に使われているのはさながら『search』のようでした。
