おかん

逆転のトライアングルのおかんのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.3
“フレンチアルプスで起きたこと”の監督の新作。
相変わらず皮肉の効いたストーリーなんだけど前作より垢抜けた印象でめちゃくちゃ好きだった!
格差社会にルッキズム、ジェンダー、資本主義、人種差別などなど風刺たっぷりのブラックコメディなので好み別れるだろうし賛否両論なのも頷ける。TITANしかりどうやらパルムドール作品は私の肌に合ってるんだと思う🤔

3章に分けて描かれる物語の始まり、男女の奢り奢られ合戦からもう心掴まれたw
人のあざとさとか情けなさがリアルすぎて最高だった。
中盤の船のシーンはおもろすぎて我慢できずヒーヒー笑った。タイタニックとは雲泥の差のお下品さ笑
第3章は自分の嫌なツボをついてきてめちゃくちゃヤヤに共感しちゃいました笑

(ヤヤ役の女優さんが若くして亡くなってしまい本作が遺作になったようで…とても魅力的だったからすごく残念です)

ラストは観客に委ねる終わり方で、ここまで意見が別れる作品は珍しいなって思ったんで敢えて書いちゃう!
観た人の解釈めちゃくちゃ聞きたい!






⚠️以下ネタバレ注意⚠️








解釈①
救いの手を差し伸べたヤヤにアビゲイルが制裁を下す説。
やはりヤヤは上流階級の民であり、アビゲイルを自分の下で雇うという発言からお互いのヒエラルキーは変わらないという姿勢が垣間見える。そこにアビゲイルが一矢報うという逆転劇。そしてヤヤの叫び声?を聞いたカーンが駆けつけようと走る描写で終わる。こちらは割とパラサイトみのある結末。



解釈②
救いの手を差し伸べたヤヤが一番の聖人だった説。
島がリゾート地であったことを知り、このままシャバに戻ればまた元のヒエラルキーに戻ってしまう!ヤヤを殺して真実を隠さなきゃ!という思いのアビゲイル。そこに自分の男を寝取られたにも関わらずアビゲイルの人間性を評価し、シャバに戻ってからの彼女の立場まで考慮して自分の下で働けるよう手を差し伸べてくれたヤヤを前に思い止まるアビゲイル。一方自分を取り合う2人が危ないと思い込み駆けつけようと走るカーン。結果的にヤヤとアビゲイルの間に絆が生まれ、カーンはクソダサ男の刻印が押される結末。
こちらは良い終わりに見せかけて結局はアビゲイルの地位はヤヤより下のままで落ち着いちゃう、的な皮肉が込められているかつフェミニズム感のある終わり方。




個人的には②の解釈だったけど一緒に観に行った人たちは①だったからめちゃくちゃ意見別れるなって思った!それくらい観客に委ねてくるしどちらとも取れる終わり方でした。その人の考え方によって変わる解釈をさせる終わり方まで皮肉に感じる(笑)
あとバレンシアガ・H&Mごっこはめちゃくちゃ楽しい👨🏻‍🦲
おかん

おかん