みりお

逆転のトライアングルのみりおのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.1
これは面白いっ!!!
ヤバい、食い入るように観てしまった❣️

身分・貧富・性別・人種…
人類みな平等だと謳いつつ、現代においては、これらすべてに優劣がある。
その優劣の始まりは、"たまたまラッキーだった"だけ。
時代が良かったとか、たまたま一発当てたとか、移民という選択肢を取ったからとか、本当にたまたま。
じゃあそのたまたま手に入れた特権にも関わらず凝り固まっている優劣が、ふとひっくり返る瞬間を迎えたら、果たして人々はどういった行動を取るのか?
虐げられる側だった人々は、平等な世の中を作ることができるのか…
いやいやいや!んなわけないよね!!って感じの作品✨笑

そもそもの悲劇を招いたのも、金持ちの道楽であり、押し付けの親切。
さっさと仕事を終わらせたい労働者たちを無理矢理あつめて、「人生を楽しんで!」とのたまって海に飛び込ませるその浅はかさ。
そしてそれによって傷んだ牡蠣にあたってのたうち回る、資本主義が生み出した阿呆どもの末路。
貧富がひっくり返る世界に放り込まれて当然だと思ってしまう。

そして海賊に襲われて難破した船がとある島にたどり着いてからの展開は、人間の汚いところを全て詰め込んだのかと言いたいくらい、胸糞展開の連続👀
ただしそれに悉くユーモアが効いていて、かつシュールさを内包しているので、決して観るに堪えないわけではない✨
(むしろキャプテンズ・ディナー後の船の中の光景の方が観るに堪えなかった🤮)
どこを切り取ってもシャープな皮肉に溢れていて、現代社会の闇を抉り出す描写が秀逸❣️
これはオスカー獲ってほしいなぁ✨


【ストーリー】

モデルでインフルエンサーのヤヤ(チャールビ・ディーン)は、恋人である男性モデルのカール(ハリス・ディキンソン)と共に豪華客船のクルーズ旅行に招待される。
リッチでクセの強い乗客はゴージャスな船旅を堪能し、客室乗務員は彼らから高額のチップをもらおうと笑顔を振りまきながら要望に応えていたが、ある夜に船が難破する。
さらに海賊に襲われ、無人島に流れ着いた乗員乗客たちが食料、水、そしてSNSのない状況にあえぐ中、トイレ清掃員が圧倒的なサバイバル能力を発揮する。


【キャスト・スタッフ】

*監督:リューベン・オストルンド

スウェーデン出身🇸🇪
1990年代からPRムービーやshortfilmの監督を始め、ほぼ初の長編作品である『Gitarrmongot』(2004)がモスクワ国際映画祭で賞を獲得して一気に注目されました✨
2011年には短編映画『Händelse vid bank』が第60回ベルリン国際映画祭で金熊賞を獲得。
さらには『フレンチアルプスで起きたこと』(2014)は第67回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門審査員賞を獲得。
また2017年の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』ではパルム・ドールを受賞し、アカデミー外国語映画賞にもノミネート。
そして本作で二度目のパルム・ドールを受賞し、かつアカデミー賞作品賞にもノミネートされているという、なんとも信じられない才能…👀✨
発表した作品が全て評価されているという驚異のキャリアで、今後がますます楽しみな方ですね🥳


*カール:ハリス・ディキンソン

『ザリガニの鳴くところ』でみりぺでぃあ記載済。


*ヤヤ:チャールビ・ディーン

南アフリカ共和国出身🇿🇦
6歳からモデルを始め、2010年には『Spud』で女優デビュー🌟
その後も特にモデルとして目覚ましい活動をしており、また本作への出演で注目を浴びましたが、なんと昨年の8月に亡くなってました😢💦
そういえばニュースを観た記憶がある…改めてスクリーンの中の人の死を実感すると辛いなぁ😣


*トーマス船長:ウディ・ハレルソン

『ゾンビランド』でみりぺでぃあ記載済。
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