リラリオ

逆転のトライアングルのリラリオのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.0
人気モデルでインフルエンサーとしても注目を集めるヤヤとモデルのカールは誰もが羨む美男美女カップル。
しかし…イケメンだが、人気が落ち目のカール→オーディション→ブランドを象徴する表情をつくれと要求される→「誰もが平等でハッピー、安っぽい笑顔のH&M!顧客を見下すバレンシアガ!」→悲しみのトライアングル(眉間のシワ)にボトックスが必要と指摘される→オーディションは失敗に終わる→一方、ヤヤはファッションショーで注目を浴びる。

高級レストランでディナー→ここでどっちが払う?お会計問題が勃発→稼ぎは多いが、男が払うの当然っしょ!の態度にイラッとするカール→「男女関係ねぇ!対等であるべきだ!」→「じゃあ、割り勘にする?」→口論の末、ヤヤが払うことになる→が、カードが使えず…→「では、現金で…」→現金足りず→結局カールが全額お支払い。
帰りのタクシー、やはり納得がいかねぇカール→「金の話はセクシーじゃない」この話題を終わりにしたいヤヤ→タクシー運転手「闘いなよ!奴隷になるか…闘うか、どっちかだ」→ホテルで延長戦→「自分が妊娠した時、養ってもらえる相手じゃないと付き合っている時間が無駄!私がモデルを辞める時はセレブ妻になる時!」
カールはヤヤを愛しているが、ヤヤは映え目的でカールと付き合っていたのだった…。

ある日、 ヤヤは豪華客船クルーズの旅に招待され、カールもお供することに。
豪華客船には、スーパーリッチで癖強っな乗客たち。「クソ売りの帝王」こと有機肥料で財を成したロシア人の大富豪ディミトリと妻とディミトリの愛人、自社の人気No.1は手榴弾!武器商人のイギリス人老夫婦、アプリ開発で大儲けし億万長者だがぼっち参戦の男、脳卒中で倒れ上手く喋ることができない車椅子の中年女性など…。

乗客たちの無茶な要求にも笑顔で答える接客クルー→上半身裸でデッキを掃除するクルーの男がヤヤに挨拶をする→「!!」嫉妬するカール→「ただ挨拶しただけじゃん…」→カールはクルーの責任者ポーラにチクる→「上半身裸でタバコ吸いながら掃除してんだが…」→男は速攻クビになる→ボートが男を迎えにくる→別れを惜しむクルーたち…それを気まずそうに見つめるカール。

シャンパンを飲み、接客クルーに絡むディミトリの妻→プールで泳ぐよう命ずる→「泳ぐことは禁止されてまして…」→「私はたまたま金持ちに生まれたの。だからこの恵まれた生活を体験させてあげたいの!」→渋々プールに入る接客クルー→そして要求はエスカレート→「クルー全員水着に着替え、スライダーで海に飛び込め!」と無茶苦茶なことを言い出す。

本日は、船長がゲストをおもてなしする「キャプテンズ・ディナー」の日→「キャプテンズ・ディナー」は仕事をせず、朝から晩まで酒浸りのアル中船長のせいで延び延びになっていたイベント→厨房は特別なディナーの仕込み真っ最中→そこへ電話が→「仕事中断!なんか全員水着に着替えて海に飛び込めだってよ…ロシアの大富豪からの命令だ」→「えぇぇ!!マジかよww食材の鮮度落ちても知らんぞ!」コックたちは、仕込みを中断し急いで着替えに行く。これが後に起こるおぞましい出来事に繋がるとは…笑
こうして金持ちババアのわがままに付き合わされたクルーは、全員海にダイブする…。

雲行きが怪しくなり、風が強くなる→揺れる船→待ちに待ったイベント「キャプテンズ・ディナー」→キャビアに生牡蠣、ウニにトリュフ…高級食材をふんだんに使った料理が運ばれる→そんな中、船は嵐へ突入→揺れが激しくなる→船酔い+食中毒に苦しむ乗客が続出→あちらこちらで嘔吐、ゲロまみれのセレブたち…「キャプテンズ・ディナー」は地獄と化する。
トイレに閉じこもる乗客→上から下からリバース→べろべろに酔っ払った船長は任務を放棄し、ディミトリと偉人たちの名言合戦を始める→コントロールを失った船は揺れに揺れまくる→トイレの汚水が逆流→停電→パニックになり逃げ惑う乗客たち…

大惨事の豪華客船に追い討ちをかけるようにまた災難が…→近くを通りかかった海賊に襲われる→手榴弾を投げ込まれる→武器商人の老夫婦「これ、うちの会社の…」→大爆発→船は転覆する。

数時間後…ヤヤ、カール、ポーラ、数人の大富豪、掃除婦のアビゲイルを乗せたボートは無人島に辿り着く。
そして、ここから立場逆転のサバイバル生活が始まる…

もう…悪意に満ちてます。
とうとうファッションブランドまでいじり始めたオストルンド 笑
オシャレインフルエンサーに成金社長、アイドルにチンピラ…幅広い層に愛されているハイブランドBALENCIAGAと自国のファストファッションブランドH&Mをチョイスするあたりが流石っス!
ファッション業界、ルッキズム、ヒエラルキー、人種差別を痛烈に皮肉りまくったブラックコメディ。まさかまさかの出来事が続き…いや~おもろかったが…船酔い地獄シーンが、長過ぎ~。
本作が遺作になったチャールビ・ディーン、ご冥福をお祈りします。
リラリオ

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