かさま

逆転のトライアングルのかさまのネタバレレビュー・内容・結末

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

予告の印象が強すぎたので、金が力を持つ社会とその力が通用しない場所での人の能力や振る舞いの差を見せるのかなと思っていた。実際は船パートでは、全員が金に囚われている人ではあるものの、富豪たちのわがままさやそれと釣り合いを取らせるような無様さを描くのがほとんどで、そういう露悪的なものだけで笑う気にはならなかった。金による権威について語る場面は船長とロシアの商人の共産主義資本主義談義くらいだったように思う。後半重要になる清掃員含め裏方で働いてる人たちの描写ももっと欲しかった。
第一章のモデルカップルとか島での性奉仕とか、経済的な差だけではなく性別役割も見せたい格差のうちなんだろうけど、掘り下げられているかというとあまりそうは思わなかった。モデル界の男女格差、奢る奢らない、経済的安定のための結婚、セックスワークを下に見る風潮とか、掘り下げれば面白そうな要素はたくさんあったけど、一つ一つ描く余裕はないだろうなあと思う。
セックスの関係があるからといって、男一人と女二人で特に恋愛のいざこざのようにならないのは良かった。
「フレンチアルプスで起きたこと」も「ザ・スクエア」も見てないので、もうちょっとどういう作風なのか知りたい気はする。
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