ペイン

逆転のトライアングルのペインのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
3.0
“ブニュエル崩れの成れの果て”

パート1は比較的面白く観れた。だが然程汚くもないなんちゃってうんこ💩&ゲロ🤮のパート2は勿論のこと、その後のパート3も全くノレず。

一見すると本作『逆転のトライアングル』は、監督の過去2作と比べるとぐんとキャッチーでストレート(※だから良いという人の意見もわかる)なのだが、私からするとトーンが割と一辺倒で締まりがなく、画面求心力を欠いていると感じた。

故にあの混じり気のない批評性と画面求心力を併せ持っていた『フレンチアルプスで起きたこと』の監督の作品とは思えず、私は本作のストレートさよりも『フレンチ~』のあのネチネチとチクチク刺してくる感じのオストルンドが好きなのかもしれないと思った。

『フレンチ~』以前の作品は私も観れてないない身分なので偉そうに明言は出来ないけれど、きっとこの監督はパルムドール受賞(※『ザ・スクエア』『逆転のトライアングル』)以前の作品にこそより真価がある気がする⬅️(※アリ・アスターがオストルンド最高作に挙げていた『Play』を是非とも観てみたい)。ポン・ジュノなんかも然りだけれど、たしかに『パラサイト 半地下の家族』(パルムドール)は面白いけれど、それ以前の『殺人の追憶』『母なる証明』の方がより“強度”があったりする。

Filmarksの“似ている作品”には『ザ・メニュー』(未見)が挙げられていたけれど、個人的にはなんとなく近年の作品だと『ミッドサマー』『ドント・ルック・アップ』辺りが好きな人には刺さりそうだなという気がした。
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