ぐり

逆転のトライアングルのぐりのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
2.5
カンヌ パルム・ドール賞受賞作を鑑賞。

最近のパルム・ドールの傾向は社会派的な潮流があるように感じる。そういう世の中の流れなのかな?

支配するものとされるもの。
雇うものと雇われるもの。
それは主従関係となる。

主従関係のある世界は、はたして民主主義なのか。
共産主義や社会主義との本質的な違いは?

平等を唱える人たちも、主従関係構造のある世界で生まれ、生まれながらにその価値観をインストールしている。

孤島に流され、そのサバイバル能力者で一発逆転した元トイレ掃除係のアビゲール。
アビゲールのその生きる力に尊敬の念を抱いたインフルエンサーでモデルのヤヤ。
島では主従関係が逆転していた2人だが、生還の入口?出口?を見つけて、ヤヤは「私はあなたを支えたい。元の生活に戻ったらあなたをマネージャーで雇ってあげる」と言った。

島での実質的な主従関係はアビゲールがみんなに施しを与える立場であったが、ヤヤの心の中ではずっと、元の世界に戻ればアビゲールは施しを与える対象であり弱者だったんだと思う。

悪意のない支配は恐ろしい。
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