大金持ちたちを乗せた豪華客船が沈没し、無人島に漂着。そこでのサバイバル生活を描いたブラックコメディ。二作連続のパルムドールとなったリューベン・オストルンド監督作品。
大きく分けて三章からなる作品で、第一章はデートで男が奢るべきかどうか論争がひたすら描かれます。日本人でも同じようなことで揉めることは多いと思うので、どこの国でも同じようなことがあるんだなというのがわかって笑えます。
第二章は豪華客船内の金持ちと乗船員たちの人間模様が描かれます。癖の強い人ばかりで、大量のブラックジョークが散りばめられており、面白いんですが、船が沈没するまでが長いしめちゃくちゃ汚い。
第三章では船が沈没し無人島に漂着。既存のヒエラルキーが崩壊して、主導権を奪い合うシーソーゲームが始まります。ただ貧しいトイレの清掃員がトップに立つだけでなく、複雑で脆い人間関係が一瞬にして変貌する鮮やかさに感動すら覚えてしまう最高のブラックコメディでした。
