鈴木ドミノ

逆転のトライアングルの鈴木ドミノのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.0
概ねあらすじ通りのストーリーだったが、そもそも島に漂着してからがメインだと思っていたので、物語の構成自体に裏切られたと思った。(むしろ島に漂着するまでが観客に見せたかった部分なのでは?と思った。)

単純に富めるものと貧するものを二元的に描くのではなく、容姿が優れている者達や資産を持ってる者達など、一般的に「勝ち組」の中にもヒエラルキーがあると、丁寧に表現していたのが印象的だった。

ファッションショー会場でロケット鉛筆式に席を奪わられる人、船室内の階層が切り替わるシーンなど、格差のグラデーション描写が面白い。

ちなみに邦題が「逆転のトライアングル」になっているが、原題を尊重して「Triangle of Sadness」を直訳の方が良いと思った。冒頭にセリフで使うくらい重要な言葉でしょうに。
鈴木ドミノ

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