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逆転のトライアングルのmanacのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
2.5
トラウマのマーライオン
資本主義社会の人間模様をシニカルに描いたブラックコメディ。
軽快に描かれる人物の裏は奥深く、なかなか面白味のある作品ではあると思うのだけれど…。

中盤の豪華客船のシーンで、嵐に見舞われ揺れる船の中ディナーを楽しむ乗客たちが次々と嘔吐をしだすのですが、いやもうこれかが凄まじい。私の人生の中で最も「阿鼻叫喚」と言う言葉が相応しいと思えるシーンであった。
ここまてはどことなく『プレタポルテ』を思わせるような皮肉の効いたシャレオツな風刺映画だと思っていたのだけれど、もうこの地獄絵図で全て吹っ飛びました。生まれて始めて映畫で貰いゲロしそうになりました。
汚物が苦手な方にはオススメしません。

汚物に耐性のある方でウッディ.アレン系が好きな人には楽しめるかもです。

そもそもねー。無人島に漂着してから物語が始まると思いこんでたからさ、なげぇのよ、そこまでが。なかなか本題に入らないなーと思って最後まで頑張って鑑賞したけど、コレアレだわ、多分冒頭からいきなり本題入っちゃってる。
色んなシーンの色んな人間模様を描くことがこの作品のテーマだわ。
現代社会のあらゆる階層の人間を皮肉たっぷりにコミカルに描いているので、脇役までしっかり見ていれば、自分や身近な人に重なる登場人物がいるはず!

でさ、カールてどうよ?
私はアウトだな。ヤヤほどの女がなぜこんな器の小さい男と付き合うのか甚だ疑問。


挿入歌にDes'reeのLifeがありました。随分と懐かしい曲だけど(多分前世紀の曲だわ)、今聞いても清々しい気持ちになれる名曲です。
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