言語別に字幕が色分けされており、より物語を理解できるようになっている。
差別や格差、家父長制が渦巻くトランシルヴァニア。そこに属する人々の帰属意識と排他的感情が爆発する、ラストの長回し会議シーンには圧倒された。
シーラは自宅でチェロで演奏するが、この曲が『花様年華』でも使われた「夢二のテーマ」だったので個人的に盛り上がっていた。テーマが酷く現実的なこの作品における、唯一の癒しになっているように思う。
劇中にも登場し、タイトルにもなっているR.M.N.や、ラストの展開(パパ・オットーの首吊り、熊の着ぐるみ、シーラの謝罪)など、一度観ただけでは理解できない部分も多いが、とても力強い作品。
2023年250本目