ツクヨミ

ヨーロッパ新世紀のツクヨミのレビュー・感想・評価

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)
1.9
主要な労働者たちが都市に流れてしまう地方の現実と悲劇。
予告編にてけっこう社会派なドラマだなーと気になっていた本作を見に行ってみた。
まずオープニング、子どもが森を歩いていると何かを見てしまい逃げる謎さ加減。この謎は後々明かされるのだが、まあそこまで重要かと言われるとそうでもない気がするので、そこまで考えなくてもなものかと。
そんなこんなで精神的に声が出なくなってしまった子どもの家族を中心にし、ルーマニアの片田舎を見ていく話が今作だ。てか初っ端やばい暴力沙汰でドイツから勝手に帰ってくる親父さんが危うすぎ問題、彼が行動するたびに謎の緊張感に包まれまくりな映像にヒヤヒヤ。やけに緊張感を煽る仕様はまあ良い感じだった。
あと村の状況がけっこう肝で田舎すぎて職が無いからか労働者階級がちょっと都会に流れがちで、工場で外国人労働者が雇われだし謎の非難差別が徐々にエスカレートしていく展開がまあキツイ。村社会特有の他者を排除しようとする考え方が先行し悲劇を生む恐ろしさよ、ラストの長回し村会議のヤバさ加減強めな話し合いもなかなかにヒリヒリしちゃう作品だ。でもわりかし謎な仕様があったりと理解が追いつかない部分もあったり、それと社会派な側面以外はそんなに響かなかったかなーと感じてしまう。
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