Tatsu

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像のTatsuのレビュー・感想・評価

3.9
ファミリードラマかと思いきや『トゥーラバース』や『エヴァの告白』に連なる脱出の物語で、クライムドラマでもありながら刑務所映画のようなスリルすらある。ホプキンスの戦い続けろというセリフや集団からの逸脱で終わりつつも、全体に漂う諦念感に軽く絶望と疑念を抱いたが、主人公の白人の男の子を徹底して周縁の人間のように描いているのは誠実。事が起こる時、基本少年は蚊帳の外で、そのダメージを受ける資格すらない。その無力感。フェンスが柵に見え、黒人少年の未来を暗示しているかのよう。ダリウス・コンジの闇の魅力。2人を繋ぐシュガーヒルギャング。スーパーマリオに続いてニューヨークの配管工映画だった。
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