Ryoma

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像のRyomaのレビュー・感想・評価

4.3
ジェームズ・グレイ監督の幼少期が自伝的に綴られた本作は、多感な時期を生きる彼自身の物語であり、家族の物語でもあった。米露が冷戦真っ只中の1980年代、黒人やユダヤ人などの人種を巡る差別や偏見が、主人公である少年の視点から垣間見れることで、こうした社会問題や情勢がよりすっと届いてきた。複雑な社会情勢の中、様々なことを経験した彼自身が、頑張れば報われる世の中ではなく、時として人生は不公平で誰もが望むような世界ではないのかもしれないと感じたり、家族を煙たがり邪険に思いつつも結果的に愛情を感じたり、多くの人と関わることで彼自身も考え成長していくそういう過程が丁寧に描かれていて非常によかった。脇役ながら、アン・ハサウェイやアンソニー・ホプキンスなどの豪華キャストから繰り出される名言や彼らの表情、佇まいは流石だなと感じた。アン・ハサウェイはもう母親役になる年齢になったんだね。時が過ぎるのは本当に早い。
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