KnightsofOdessa

CLOSE/クロースのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
3.0
[レミとレオの"友情"と決裂] 60点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ルーカス・ドン長編二作目。前作『Girl/ガール』が"ある視点"部門からカメラ・ドールに輝き、コンペに昇格した形になる。今回の主人公は幼馴染のレミとレオ。二人は互いに親しく、基本的にはずっと一緒にいる。屋外ではレミの両親が経営する花農場を駆け回り、室内ではレミの部屋に泊まって一緒のベッドで寝ている。彼らの間を結ぶ感情は友情より濃いが、そこに恋愛感情が混ざっているのかは自分たちにも分かっていない。学校に通い始めたある日、レミとの"密接な"友情を"オカマ"と罵られたレオは、レミを明らかに嫌煙するようになる。そして、オーボエ奏者であるレミと対抗するように、アイスホッケー部に入って、クラスの一軍男子の繰り出す興味もないサッカー話に相槌を打つ生活を選ぶ。学校での何気ない日常風景がやたらと多く、ローラ・ワンデル『プレイグラウンド』を意識してるのか?と思うなど(どっちもベルギー映画だし?)。本作品の大きな見せ場として、自転車や自分の足で疾走する二人を横移動で捉えるショットがあるんだが、レミとレオの関係性が変質してくにつれて、横移動の長回しが苦痛に満ちたものに変化していく。最初は笑顔で走り抜けていたのに、いつの間にか同じ方向に進んでるはずの二人が離れようと、別れようとするように変化していくのだ。もう一つの特徴として、主人公レオの視線が挙げられる。興味のない話に相槌を打ちながら、彼の視線は校庭を行き交う人々の間を縫って、別の場所にいるレミに注がれている。二人が離別する前、レミから視線が帰ってきていた、つまり二人は見つめ合っていたわけだが、離別後は離れた方のレオからの視線の一方通行となってしまう。

以下はネタバレなのでコチラから↓
https://note.com/knightofodessa/n/n581dee4d3db1
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