建野友保

CLOSE/クロースの建野友保のレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.2
親子、兄弟姉妹といった定義しやすい人間関係の枠から飛び出し、家族の外にさまざまな濃淡の人間関係が次々と生まれていく13歳。カテゴライズしにくい関係を、他人は分かりやすく定義・整理しようとする。その他愛もない問いかけが、時には刃物にもなる。
レオにとっては、ただの親密な友人だったように思える。レミは、それ以上の恋愛感情を抱いていたのかもしれない。本人たちにも巧く説明はできないだろうし、思春期特有の微熱のなかで、時間を経て微妙に変化するのかもしれない。
レミのお母さんは全てを察したのだろう。その上でレオを抱きしめたのだろう。そう思いたい。
ルーカス・ドン監督は「Girl/ガール」同様、主人公の表情をアップで執拗に追う。表情のなかに潜む感情の渦巻きを映し出すために。
ふと、新婚の親友宅に遊びに行った際、奥様から「あなたたちは、おホモだちなの?」と問いかけられて激怒した日を思い出した。
建野友保

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