とても苦しい映画でした。
そこには、苦しさと目を背けたくなるような美しさがありました。
とても親しい人の死というものに触れたその悲しみ。
そして、それは自分のせいだという苦しみ。
自分のせいだということがいつか明るみにでることへの恐怖。
でも、あのときの自分にはそれができなかったという後悔。
たくさんの苦しみをむき出しに描いた作品。
ずっと苦しくて。
その苦しみをきれいに包むでもなく、そのまま、暴力的に観客にぶつけてくる。
兄には言葉少なに心の内を話したり
日常を取り戻そうとしたり
友人からの、あいつはいつも楽しそうだったという言葉に怒ったり
苦しみを美化することなく、まっすぐに描いた作品。
そのどうしようもない苦しみの描き方が、とても美しい。
レオとレミが畑を走るシーン、道程を自転車で並走するシーンがとても美しかった。
序盤の2人の距離感の美しさが、レオの苦しみをより強く強く伝えたように思う。
レオの女性的な端正な顔立ちがまた、引き込まれる。
素敵な俳優。
苦しいは美しいと近いところにあるのかも知れない。