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CLOSE/クロースのKHのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
3.5
「物語」としてこの映画を観ると、中盤から終盤にかける展開は、あまりに痛々しくて救いようがない様に感じ好みでは無い。
しかしこの映画は映像が本当に美しい。前半レオとレミの遊ぶシーンの2人の純粋さや無垢さが美しい映像とともに観客に届く。感情が映像にのっており後半にかける緊張感が漂う映像は目が離せなかった。
まだ学校などの社会に出ていないレオとレミの関係性は懐かしいような眩しいような危なっかしいような感じがする。しかしこんなに脆かったのか、2人は社会(学校)に出て集団の中で生きることで関係性は変わっていく。
レオの行為の罪悪感はきっとどこかでみんなが体験していると思う。そこに悪意がなくても傷つけてしまう。
教室(社会)の外で出会っていたらもっと違った関係になっていたのかもしれないなんて思ったことないだろうか。
社会を生きることは型にはまって、或いは打算的に生きることなのか。
しかしやはり自分たちは傷付いてでも、社会と常にコミュニケートし続けなければ生きていけない。
1つ言うなら、この映画で唯一気に入らないのが、その代償があまりにも大きい所だ。
しかし物語性やテーマ性はあまり強く感じられなかったが、それでもやっぱり映像が素晴らしい。
カンヌっぽい映画は映像は素晴らしくても飽きがちだが、今作は映像が良いのはもちろん、意外と終盤緊張感が漂うせいかテンポよく見れた。
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