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CLOSE/クロースのkuuのレビュー・感想・評価

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
4.1
『CLOSE/クロース』
原題 Close
映倫区分 PG12
製作年 2022年。上映時間 85分。
トランスジェンダーの主人公がバレリーナを目指す姿を描いた『Girl ガール』でカンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞したルーカス・ドン監督が、13歳の2人の少年に起こる関係の変化を描いた長編第2作。

13歳のレオとレミは、学校でも放課後でも一緒に時間を過ごす大親友だった。
しかし、ある時、2人の親密すぎる間柄をクラスメイトにからかわれたことで、レオはレミへの接し方に戸惑い、そっけない態度をとってしまう。
そのせいで気まずい雰囲気になる中、2人は些細なことで大ゲンカをしてしまい。。。

今作品には愛すべきものがすべてあり、ストーリー展開だけでなく、映画芸術、演技、ストーリーテリングも含めて、純粋な愛の実践であると感じました。
そこって意外に重要なことがある。
今作品は解剖に似ており、とてつもない痛みを抱えた2人の少年の目を通して語られる青春の専門的分析でもあるかな。
ニュアンスに富んでおり、人間の苦境の中で培われた偏見について、最初から博識に近い、鋭いコメントをしていた。
今作品は、子供が教育システムを通じて広い社会に足を踏み入れた瞬間から、植え付けられた偏見がいかに純粋無垢な心を奪っていくかを完璧に捉えており、より正確に書くなら、我々が何になったのか、あるいは何になり損ねたのかを痛烈に告発している。
ストーリーは、根深い偏見が2人の少年の純粋無垢な愛をいかに破壊するかを示しており、女性側からの無神経で嫌味な陰口が、男性側からのあからさまに暴力的なマチズモ(男っぽさ。 誇示された力。 男性優位主義かな)にどのように食い込んでいくかを見事に対比している。
嫉妬深い観察者たちが、自分にはその能力がないからと、自分が手に入れられないものを破壊しようとする卑劣で意地悪なやり方は、昔からよくある話とは云える。
そして、幼い頃の無垢な友情に同性愛嫌悪が投げかけられるのを見るのは、視聴者として腹立たしい。
ホモフォビア(同性愛嫌悪)が、女の子と男の子の両方の教育においていかに根深いものであるかを示しているからです。
脚本・監督のルーカス・ドントは、多くの批評家が認めることのできないほどの才能の持ち主である。
ルーカス・ドントは、このベルギー映画で、そしてこれまで多くのフランス映画がそうであったように、映画のあり方、あるべき姿に光を当ててくれた。
まさにファーストフードと高級料理の比較かな、もっと例えるならインスタント珈琲と最高のバリスタが提供する珈琲、ンン~、、、ネットで買った香水の香りと、直営店で買った香水の薫り??これはチャウか。。。
話がそれました🙇
今作品のもうひとつの比較と、喪失についての同じような研究によって、『aftersun/アフターサン』には多くの賞賛が寄せられ、小生も善き映画やったと思う。
ただ、今作品を観た今となっては、『アフターサン』は初歩的な作品だと思うし、『クローズ』がフランス語/フランドル語であるという事実が、『アフターサン』と比べたときに称賛や賞賛の面で後れを取る十分な理由になっているんちゃうかな。
映画やスクリーンでのストーリーテリング、演技や演出について学びたい人にとって、『クローズ』は目指すべき目標であり、完璧なマスタークラスと個人的にはおもったし、心を打ち砕かれた。
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